こんにちは!「期間工ライフ」管理人のタカシです。
期間工(期間従業員)が「原則として3年未満しか契約更新できない理由」は、主に労働者派遣法や労働契約法などの労働関連法規に基づいています。また、製造業への労働者派遣が解禁された経緯や背景も深く関係しています。以下に詳しく解説します。
期間工が2年11か月で満了するのはなぜ?
1. 労働契約法第17条の規定(有期契約の反復更新制限)
労働契約法では、同一の有期契約を反復して更新することによって、実質的に無期雇用と同様になることを避けるために、次のようなルールがあります。
- 有期労働契約(=期間工契約)の上限期間は原則3年
- 高度専門職や60歳以上を除いて、同一業務・同一労働者における有期契約の上限は 最長3年まで とされています。
つまり、企業が一人の期間工を3年以上雇い続ける場合、無期雇用(正社員など)への転換を検討する必要があるということです。
●補足:このルールは、企業による「都合の良い使い捨て」を防ぐために設けられています。
派遣労働と期間工の違い
ここで注意したいのは、「期間工」はメーカーとの直接雇用であり、派遣会社を介して雇われる「派遣社員」とは異なる点です。
項目 | 期間工(期間従業員) | 派遣社員 |
---|---|---|
雇用元 | いすゞなどのメーカー本体 | 派遣会社(例:スタッフサービスなど) |
労働先 | 雇用元と同じ | 派遣先企業 |
雇用関係 | 直接雇用 | 間接雇用 |
契約更新上限 | 原則3年 | 原則3年(製造業派遣の場合) |
製造業への派遣が解禁された背景(2004年の改正)
元々、労働者派遣法は1986年に施行され、当初は製造業への派遣は禁止されていました。しかし、
✅ 2004年の労働者派遣法改正で「製造業派遣」解禁
- 2004年3月:製造業への労働者派遣が正式に解禁
- 背景:
- 雇用の柔軟化を進めたい政府の意向
- 景気の変動に柔軟に対応するための人材確保
- 製造業の国際競争力を高める狙い
この結果、「製造業派遣」が急増し、工場勤務の多くが派遣や期間工で占められるようになりました。
法律の改正とその後の規制強化
しかし、リーマンショックや派遣切り問題(2008年〜)を受けて、派遣労働の在り方が問題視され、次のような規制強化が行われています。
✅ 2012年 労働契約法改正
- 同一企業で 通算5年 を超える有期雇用契約が繰り返された場合、無期雇用への転換申し込み権が労働者に与えられました(いわゆる「5年ルール」)
✅ 2015年 派遣法改正
- 製造業など派遣社員の受け入れ期間も 原則3年まで
- 同一労働者が同一部署で継続して勤務することを制限し、派遣先は直接雇用を促されるように
実際の現場での対応(例:いすゞ自動車)
いすゞやトヨタなどの大手自動車メーカーでは、3年を超えて働きたい場合は、
- 正社員登用試験を受ける
- 一度退職し、一定期間を空けて再応募する
といった方法で対応されています。
🔍 実体験補足(管理人タカシ)
管理人タカシはいすゞ自動車の期間工は1年半在籍でした。同じライン配属だった期間工の人から聞いた話ですが、藤沢工場でも、満了時(2年11ヶ月)に正社員登用試験の案内が来たとのこと。直接話を聞いた2年11か月満了した期間工の方は「半年空けて再応募」して、今2回目の期間工の人でした。
まとめ:期間工はなぜ3年まで?
原因・理由 | 内容 |
---|---|
労働契約法の制限 | 有期契約は原則3年まで。長期継続は無期雇用への転換を促すため。 |
派遣法の改正 | 製造業派遣も3年が原則。同一業務での長期派遣は禁止。 |
企業の対応 | 3年後は退職・再応募、または正社員登用の流れが多い。 |
この記事を読んでいるあなたへ
「期間工はどうせ短期の使い捨てでしょ?」と思っていませんか?
実は、3年で終了する仕組みにはしっかりとした法律の背景があり、逆に短期で高収入を得て、次の人生に備える働き方としては非常に合理的です。